証紙なし着物の買取|査定士が見る7つの手がかり
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実家の桐たんすを開けたら、たとう紙に包まれた着物が何枚も出てきた。ネットで調べると「証紙があると高く売れます」と書いてあるので中をあらためたけれど、証紙らしき紙は一枚も見つからない——。
ここまでは、着物の整理を始めた方からよくいただくご相談とほぼ同じ流れです。
そこで多くの方が「証紙がないなら、たいした値段にならないだろう」と考えます。ただ、その判断のまま処分してしまうと、あとから確認する手段がなくなります。証紙は査定材料のひとつであって、値段を付けるための必須条件ではありません。
この記事では、証紙がないときに査定の現場で代わりに何を見ているのかを具体的に挙げたうえで、手元の着物を「相談する価値がある物」と「期待しすぎない物」にご自身で仕分けられるところまでをまとめます。
産地も作家も分からない状態のまま読み進めていただいて構いません。
この記事でわかること
証紙なしの着物は売れる。ただし影響が大きい着物と、ほぼ影響しない着物がある

結論:証紙は査定材料のひとつで、必須条件ではない
証紙がなくても、着物の買取査定は成立します。買取業者の多くが「証紙なしでも査定可能」と明記しているのは営業上の建前ではなく、証紙以外にも確認できる箇所が複数あるためです。実際に持ち込まれる着物のうち、証紙が揃っているものはむしろ少数です。
ただし「影響がない」わけではありません。証紙は産地や織り方、組合の検査を通っていることを客観的に示す書面なので、それが失われた分は、生地や仕立てから読み取る作業に置き換わります。読み取れる情報が減れば、慎重な評価になることはあります。
証紙の有無が効きやすいのは「産地ブランドの紬・織物」
証紙の有無が査定に響きやすいのは、産地名そのものが価値になっている織物です。産地や組合が発行する証紙で本場かどうかを裏付ける仕組みになっているため、書面が失われると同じ評価をしづらくなります。
反対に、証紙がもともと発行されていない種類の着物では、有無を気にする必要はほとんどありません。
証紙がもともと付かない着物も多い
ここは誤解されやすい点です。証紙は、産地の組合や検査機関などが基準を満たしたものに対して発行するもので、すべての着物に付いているわけではありません。
呉服店で誂えた訪問着や付下げ、色無地などは、証紙という形の書面が最初から付属していないことがあります。
つまり「証紙がない=紛失した」とは限らず、「そもそも発行されていない」ケースが混ざっています。この2つは意味がまったく違うので、次の章で切り分けます。
早見表:あなたの着物はどのタイプ?
| タイプ | 着物の例 | 証紙がないときの影響 |
|---|---|---|
| 影響が大きい | 産地名が価値になっている紬・織物 | 産地の裏付けが取りにくく、慎重な評価になりやすい |
| 影響は中くらい | 作家物と思われる訪問着・付下げ・染めの着物 | 落款や仕立ての質から判断するため、落款の有無が分かれ目になりやすい |
| ほぼ影響しない | 一般的な小紋・色無地・喪服・ウールなど | もともと証紙を前提に評価していないため、状態と素材で判断 |
手元の着物がどれに当たるか分からなくても問題ありません。この分類は査定側で行う作業なので、読者の方は「証紙がないこと自体は珍しくない」とだけ押さえていただければ十分です。
その証紙、本当に「ない」? 残っていやすい5か所と、最初から付かないケース

証紙は着物本体ではなく「反物の端」に付いていた
探す前に知っておくと早いのが、証紙が元々どこにあったかです。証紙は反物の端に貼られているのが基本で、着物に仕立てる段階で本体から切り離されます。そのため、着物をいくら広げても縫い付けられていることはまずありません。
切り離された証紙は、仕立てを頼んだ呉服店が余り布と一緒に返してくれることが多く、着物とは別の場所に保管されている可能性があります。
探す価値がある5か所
- たとう紙の中:着物と一緒に折り込まれていることがあります。着物を取り出したあと、たとう紙だけを開いて確認してください
- 共布・ハギレの入った袋:仕立ての余り布と証紙がひとまとめになっていることがあります
- たんすの引き出しの底や隅:小さな紙なので、着物の下に沈み込んでいることがあります
- 購入時の紙袋・箱・包み紙:呉服店の名前が入った袋ごと保管されている場合、中に納品書や証紙が残っていることがあります
- 仕立て票や領収書と一緒:書類をまとめた封筒やファイルに紛れているケースです
証紙が出てくれば、産地が分からなくても情報が一気に増えます。着物本体より先に、この5か所を確認してから相談するほうが効率的です。
「なくした」のではなく「最初から付いていない」着物の例
先ほど触れたとおり、証紙がもともと付属しない着物もあります。呉服店で反物から誂えた染めの着物、既製の小紋、喪服、ウールの普段着などがこれにあたることが多く、いくら探しても出てきません。
ここで時間をかけすぎると片付けが止まります。5か所を確認して出てこなければ、そこで探索は切り上げて構いません。
見つかった紙が証紙かどうか分からないとき
「これは証紙ですか、ただの値札ですか」というご質問はよくいただきます。判断の目安としては、産地名・組合名・織り方・製造者名などが印字され、印や登録番号が入っているものは証紙である可能性があります。
伝統的工芸品の指定を受けた品には、伝産法(伝統的工芸品産業の振興に関する法律)に基づく指定を示すマークが入っていることもあります。
ただし表記は産地や組合によって異なり、値札や品質表示のタグと見分けにくいものもあります。迷ったら分けずに、出てきた紙は全部まとめて取っておいてください。判断は査定時にこちらで行います。
証紙がないとき、査定士が代わりに見ている7つの手がかり

ここがこの記事の中心です。証紙がない着物を前にしたとき、実際に確認しているのは次の7か所です。読者の方がすべて判断する必要はありませんが、「何も分からない状態」ではないことが伝わると思います。
① 落款(作家や工房の印)
落款は、作り手の名前や工房を示す印です。着たときに表から見えにくい位置に入っていることが多く、下前の衽(おくみ)まわりや裾の裏側などを確認します。
落款があれば、作り手をたどれる可能性が出てきます。証紙のような公的な裏付けとは性質が違いますが、証紙がない着物では有力な手がかりです。剥がしたり切り取ったりせず、そのままにしておいてください。
② 仕立て票・呉服店や和裁士の名札
仕立てを担当した店名や和裁士名が書かれた小さな紙が、たとう紙の中や着物の衿裏に残っていることがあります。どこで誂えられたものかが分かると、あつらえ品かどうかの判断材料になります。
③ たとう紙に印字された店名・地名
たとう紙そのものにも情報があります。呉服店の屋号や所在地が印字されていれば、購入経路の見当がつきます。古びていても捨てずに、着物と一緒にしておいてください。
④ 生地そのもの(風合い・織り・染めの手数)
手で触れたときの張りや光沢、織りの詰まり方、糸の質、染めや柄付けにかかっている手間を見ます。
手描きの友禅か型染めか、刺繍や金彩が入っているかといった点も含め、作りにかかった手数は生地に残ります。証紙がなくても評価できる部分です。
⑤ 裏地(胴裏・八掛)の状態と年代の手がかり
胴裏(胴の裏地)や八掛(裾まわりの裏地)は、経過年数や保管状態が出やすい箇所です。黄変が強い場合は年代が古いか、湿気の多い場所で保管されていた可能性を見ます。裏地の色や素材から、仕立てられた時期の見当がつくこともあります。
⑥ 寸法(身丈・裄)
着物は仕立て直しに手間がかかるため、実際に着られるサイズかどうかが評価に影響します。
身丈(肩から裾までの長さ)と裄(首の付け根から手首までの長さ)を測り、現代の平均的な体格に近い寸法であれば有利に働きやすいという傾向があります。昔の着物は寸法が小さいことがあり、ここは正直に影響が出る部分です。
⑦ 帯・小物・反物などの付属状況
着物単体か、帯や帯締め・帯揚げ、未仕立ての反物まで揃っているかを確認します。まとまっているほうが扱いやすくなるため、「着物だけ」と決めずに、一緒に出てきた和装品はまとめて見せていただくほうが判断しやすくなります。
見ても分からない場合は、そのまま伝えて構わない
7項目のうち、ご自身で確認できるのは落款の有無やたとう紙の印字くらいで十分です。分からないまま伝えていただいて問題ありません。
どんな着物・状態まで対象になるかは着物買取で確認している査定条件にまとめているので、相談前に目を通しておくと、伝えるべき情報の見当がつきやすくなります。
【状況別】あなたのケースだと、どう見積もられる?

同じ「証紙なし」でも、置かれている状況によって進め方は変わります。ご自身に近いケースを見てください。
ケース1:遺品でまとめて20枚前後、証紙は数枚だけ
最も多いパターンです。この場合、1枚ずつ調べてから相談する必要はありません。点数が多いほど、まとめて見たほうが判断しやすくなります。
値が付きにくい着物が混ざっていても、帯や小物と合わせて全体で見ることになるため、選別せずに出していただいて構いません。
ケース2:高そうな1枚だけ、証紙がない
1枚だけの場合は、落款の有無が判断の分かれ目になりやすいところです。先に落款まわりの写真を送って相談し、送るかどうかを決める進め方が向いています。
1枚のために送料や梱包の手間をかける前に、写真で当たりを付けるほうが合理的です。
ケース3:紬らしいが産地が分からない
証紙の影響が最も出やすいのがこのケースです。ただし、糸や織りの特徴から見当がつくこともあるため、産地不明のまま相談する価値はあります。
この段階でネットの相場表と照らし合わせるのはおすすめしません。産地が確定していない状態で金額の目安を持つと、実際の査定額との差に納得しにくくなります。
ケース4:訪問着・付下げ・色無地
もともと証紙が付属しないことが多い種類です。証紙がないことを気にする必要はほとんどなく、生地・柄付け・落款・寸法・状態で判断します。
ケース5:未仕立ての反物が出てきた
仕立てていない反物は、証紙が付いたままになっている可能性があります。たんすの奥から反物が出てきた場合は、端の部分を確認してみてください。仕立て済みの着物より情報が残っていることがあります。
ケース6:ウール・化繊かもしれない
素材が正絹でない場合は、証紙以前に評価の対象になりにくい傾向があります。ただし枚数がまとまっている場合や、帯・小物と一緒の場合は、まとめて相談する意味があります。
ケース7:シミ・カビ・虫食いがある
状態が悪いものも、自己判断で外さずに含めてください。状態の程度は写真だけでは判断が難しく、実物を見ないと分からない部分があります。ただし、強いカビ臭が全体に回っている場合は評価が難しくなることも事実です。
| ケース | 証紙がないことの影響 | 先に伝えるとよい情報 |
|---|---|---|
| 遺品でまとめて20枚前後 | 小さい(全体で判断するため) | おおよその点数、帯・小物の有無 |
| 高そうな1枚だけ | 中〜大 | 落款まわりの写真、寸法 |
| 紬らしいが産地不明 | 大 | 生地の質感が分かる近接写真 |
| 訪問着・付下げ・色無地 | ほぼなし | 柄付けと全体が分かる写真 |
| 未仕立ての反物 | 小(証紙が残っている可能性) | 反物の端の写真 |
| ウール・化繊かも | ほぼなし(素材で判断) | 点数、他の和装品の有無 |
| シミ・カビ・虫食いあり | 状態が優先される | 傷んだ箇所の写真、においの有無 |
証紙がなくても値が付きやすい着物/付きにくい着物
値が付きやすい傾向
- 正絹で、生地に張りや光沢が残っている
- 身丈・裄が現代の体格に近く、そのまま着られる寸法
- 目立つシミや変色がなく、たとう紙に包まれて保管されていた
- 落款や仕立て票など、たどれる情報が残っている
- 帯・小物・反物などが一緒に揃っている
値が付きにくい傾向
- ウール・化繊で、需要が限られる
- 広範囲のシミ、カビ、強いにおいがある
- 寸法が極端に小さく、仕立て直しが難しい
- 喪服(黒紋付)など、中古での需要が限られる種類
- すでに裁断・リメイクされている
「付きにくい」ものでも相談する意味があるケース
上のリストに当てはまるものが多くても、まとまった点数がある場合や、帯・和装小物が一緒にある場合は、全体として相談する価値があります。
1枚ずつ判断して選別するより、まとめて見せていただくほうが結果として手間も少なくなります。
正絹かどうかの簡易的な見当
参考までに、素材の見当を付ける方法をいくつか挙げます。ただし、これは断定できるものではありません。
- 手触りに独特の滑らかさと、握ったときのしなやかさがある
- 光の当たり方で色の見え方が変わる
- 裏地(胴裏)に「正絹」の表示や、購入時の品質表示が残っていることがある
燃やして確かめるといった方法が紹介されることもありますが、着物を傷めるため行わないでください。最終的な判断は査定時に行います。
証紙がない着物で起きやすい失敗と、その防ぎ方

ここは金額よりも、取り返しがつくかどうかの話です。
| やってしまいがちなこと | 何が起きるか | 代わりにすること |
|---|---|---|
| 証紙がないからと査定前に処分する | 確認する手段が永久になくなる | 写真1枚でも先に相談する |
| きれいにしようと自分で洗う・アイロンをかける | 縮み、色移り、テカリが出ることがある | そのままの状態で見せる |
| 残っていた証紙や共布を捨てる | 数少ない裏付けを失う | 紙類は全部まとめて保管 |
| たとう紙を新品に入れ替える | 店名・地名の情報が消える | 古いたとう紙も一緒に出す |
| リメイク目的で裁断してから相談する | 着物としての評価ができなくなる | 裁断前に一度査定を受ける |
失敗6:断りづらい状況で査定を受けてしまう
もうひとつ、金額以外で後悔しやすいのがこれです。自宅に来てもらって査定を受ける形(訪問購入)は、その場で結論を求められやすく、断りにくさを感じる方がいます。
知っておいていただきたいのは、自宅などで事業者に品物を売る「訪問購入」は特定商取引法の対象で、法定書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフができるという点です。
さらにその期間中は、売却した品物の引渡しを拒んで手元に置いておくこともできます。「その場でいったん渡してしまったから、もう戻らない」ということにはなりません。
一方で、宅配買取や店頭買取は訪問購入にあたらないため、法律上のクーリング・オフの対象外です。そのぶん、各社が定めるキャンセル条件と返送の扱いを事前に確認しておくことが重要になります。
査定額に納得できなかった場合にキャンセルできるか、返送料はどちら負担かを、依頼前に必ず確認してください。
ここまで読んで、手元の着物がどちらに近いか見当がついた方もいると思います。査定は無料で、金額に納得できなければキャンセルもできますから、処分を決める前に「値段だけ確認する」という進め方もできます。
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産地・作家が分からないまま相談するときの準備と伝え方(3ステップ)
ステップ1:全部広げなくていい。点数と種類をざっくり数える
20枚あっても、1枚ずつたとう紙から出して確認する必要はありません。たとう紙の束を数えて「だいたい20枚くらい」と分かれば十分です。帯が何本あるか、和装小物や反物が混ざっているかも、分かる範囲で構いません。
ステップ2:写真はこの6か所を撮れば伝わる
- 着物を広げた全体(1枚でも可)
- 衿元まわり
- 下前の衽あたり(落款が入っていることが多い位置)
- 仕立て票やたとう紙の印字部分
- 裏地(胴裏・八掛)
- シミや傷みがある箇所
ピントが合っていれば、スマートフォンで十分です。全部揃わなくても、まずは全体写真1枚から送っていただいて構いません。
ステップ3:問い合わせ時に伝えると話が早い5項目
- おおよその点数(正確でなくて構いません)
- 着物以外に帯・小物・反物が含まれるか
- 目に見えるシミ・カビ・虫食いの有無
- 保管していた場所(桐たんす、押し入れ、衣装ケースなど)
- ご自身の品物か、ご家族の遺品か
必要な持ち物・書類
買取では、古物営業法に基づいて売主の本人確認が行われるため、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類を求められるのが一般的です。
宅配買取の場合はコピーの同封や画像のアップロードで対応することが多く、事前に手元に用意しておくとやり取りが早く済みます。
遺品の場合でも、実際に売却する方ご本人の書類があれば手続きできます。故人名義の書類は不要です。
査定スタッフのコメント
「何枚あるか数えていないのですが、それでも問い合わせていいですか」というご質問をいただくことがあります。結論から言えば、数えていなくても問題ありません。
お電話やメールでは、まず「たとう紙の束がどのくらいの高さか」「たんすの引き出し何段分か」といった聞き方で、おおよその量を一緒に確認していきます。
そのうえで、点数が多ければ宅配または出張、数点であれば写真での事前相談、というように向いている方法をご案内します。
先に進めたい場合は、たとう紙から出した状態の全体写真を1枚、LINEかメールでお送りください。それだけでも、着物の種類と状態のおおよその見当がつきます。点数だけをお電話で伝えていただく形でも構いません。
証紙なしの着物を任せる業者の選び方と、向いている人・向いていない人

選び方のチェックポイント5つ
- 着物の取扱実績があるか:総合リサイクル店でも、着物を扱っているかどうかで見方が変わります
- 証紙なしの扱いを明記しているか:サイト上で言及がない場合は、問い合わせ時に確認を
- 査定内訳を説明してもらえるか:「まとめていくら」だけでなく、何を見てその金額かを聞けるか
- キャンセル条件が明確か:査定後に断れるか、費用が発生しないか
- 返送の扱いが書かれているか:宅配の場合、返送料の負担者が明記されているか
この5点は、依頼前にサイト上で確認できることがほとんどです。実際の対応品目や査定条件、買取方法の違いはトレジャーマーケットの着物買取ページで公開しているので、他社と並べて条件を見比べる材料にしてください。
店頭・出張・宅配の比較
| 方法 | 向いている状況 | 注意点 |
|---|---|---|
| 店頭 | 点数が少ない/その場で結論を出したい | 着物は重くかさばるため運搬の負担が大きい |
| 出張 | 点数が多い/自宅から運び出せない | 訪問購入にあたり、8日間のクーリング・オフ対象。日程調整が必要 |
| 宅配 | 点数が多い/対面したくない/日中は仕事 | クーリング・オフの対象外のため、キャンセル条件と返送の扱いを事前確認 |
宅配買取が向いている人
- 着物が10枚以上あり、店頭まで運ぶのが現実的でない
- 自宅に人を上げたくない、近所に知られたくない
- 日中は仕事で、査定の立ち会い時間を取りにくい
- その場で結論を出さず、自分のペースで判断したい
宅配買取が向いていない人
- 今日中に現金化したい(発送から入金まで日数がかかります)
- 着物1枚だけで、梱包と発送の手間に見合わないと感じる
- その場で1点ずつ内容を確認しながら交渉したい
- 大型の桐たんすごと引き取ってほしい(この場合は出張が適しています)
正直に書くと、点数が少ない場合や急ぐ場合は、宅配は最適解ではありません。ご自身の状況に合う方法を選んでください。
自宅から出ずに、証紙なしの着物をまとめて見てもらう方法
段ボールに詰めて送るだけで完結する
宅配買取は、申し込み後に着物を段ボールへ詰めて発送し、査定結果の連絡を待つだけの流れです。たとう紙ごと入れていただいて構いません。証紙や共布、古いたとう紙も一緒に入れてください。並べ方や畳み直しに気を使う必要はありません。
具体的な申し込みから入金までの手順は段ボールで送れる着物の宅配買取のページで確認できます。全国対応なので、店舗まで距離がある地域からでも同じ流れで進められます。
査定額に納得できなかった場合
金額に納得できなければ、キャンセルして返送を依頼できます。前述のとおり宅配買取は法律上のクーリング・オフの対象外なので、この条件が明記されているかどうかは、依頼前に必ずご確認ください。
先にLINE・メールで写真だけ送る使い方
「送るかどうか決める前に、見込みだけ知りたい」という場合は、写真だけを先に送る形でも構いません。
写真の段階では、あくまでおおよその見当をお伝えする形になりますが、送るか送らないかの判断材料にはなります。電話でのやり取りが苦手な方は、メールやLINEだけで進めることもできます。
20枚あっても、段ボールに詰めて送るだけなので、押し入れはその日のうちに片付きます。店舗へ運ぶ必要も、自宅に人を上げる必要もありません。写真を先にLINEで送り、送るかどうかを決めてからでも構いません。
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よくある質問(証紙なし・産地不明の着物について)
Q. 証紙がないと、どのくらい査定額が下がりますか?
A. 一律の下げ幅はありません。産地名が価値になる紬・織物では影響が出やすく、訪問着や小紋などでは影響がほとんどない場合もあります。
着物の種類・状態・寸法によって変わるため、実物を見ないと差の程度は判断できません。
Q. 証紙をなくしたのですが、再発行はできますか?
A. 一般的に再発行はできないと考えてください。証紙は反物の検査時に発行されるもので、後から個人が取り直せる仕組みにはなっていません。
Q. 証紙がない着物は偽物ということですか?
A. いいえ。証紙がもともと発行されない種類の着物も多く、仕立ての際に切り離されて紛失することもよくあります。証紙がないことと真贋は別の問題です。
Q. 産地も作家も分からないまま問い合わせても大丈夫ですか?
A. 問題ありません。むしろ分からない状態でのご相談のほうが一般的です。事前にお調べいただく必要はありません。
Q. 落款があれば証紙の代わりになりますか?
A. 完全な代わりにはなりませんが、有力な手がかりになります。証紙が組合などによる客観的な裏付けであるのに対し、落款は作り手を示す印なので、性質が異なります。
Q. たとう紙は一緒に送ったほうがいいですか?
A. はい。店名や地名が印字されていることがあるため、古くても入れてください。新しいものに入れ替えないようお願いします。
Q. シミがある着物も一緒に送っていいですか?
A. 構いません。状態は写真だけでは判断しづらいため、自己判断で外さず含めてください。ただし、強いカビ臭が全体に及んでいる場合は評価が難しくなることがあります。
Q. 何点からまとめて査定してもらえますか?
A. 点数の下限を設けていない業者が多いですが、宅配の場合は送料や梱包の手間があるため、数点以上のほうが向いています。1〜2点であれば、先に写真で相談する方法をおすすめします。
Q. 査定額に納得できなかったら断れますか?
A. 多くの業者でキャンセルは可能ですが、条件は業者ごとに異なります。返送料の負担者を含め、依頼前に確認してください。
なお出張買取(訪問購入)の場合は、法定書面を受け取った日から8日間のクーリング・オフが法律で認められています。
Q. 母の遺品なのですが、本人以外でも売れますか?
A. 相続した品であれば、売却するご本人の本人確認書類で手続きできます。故人名義の書類は必要ありません。
Q. 帯や和装小物だけでも見てもらえますか?
A. 対応しています。帯締め・帯揚げ・草履・バッグなども含め、和装品としてまとめて確認します。
まとめ|証紙がなくても、判断材料はまだ残っている

証紙がない着物についてお伝えしたことを整理します。
- 証紙は査定材料のひとつで、必須条件ではありません。もともと付かない着物も多くあります
- 証紙がなくても、落款・仕立て票・たとう紙の印字・生地・裏地・寸法・付属品という7つの手がかりを確認しています
- 証紙の影響が大きいのは産地ブランドの紬・織物で、訪問着や小紋などではほとんど影響しません
- 査定前に洗う、裁断する、たとう紙を入れ替える、証紙らしき紙を捨てる——この4つは避けてください
- 出張買取は8日間のクーリング・オフの対象、宅配・店頭は対象外。キャンセル条件は依頼前に確認を
今日できる最小の一歩は、たとう紙の中を確認して証紙が残っていないかを見ることと、着物の全体写真を1枚撮ることです。ここまでできていれば、相談に必要な準備はほぼ整っています。
価値が分からないまま置いておくほど、シミや虫食いは進みます。まず何枚あるかを伝えるだけでも、進め方の見当はつきます。電話でもメールでもLINEでも、都合のいい方法で24時間受け付けています。
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査定スタッフのコメント
「産地も作家も分からないのですが、見てもらえますか」というお問い合わせは珍しくありません。
この場合、こちらでは落款の有無、仕立て票やたとう紙に店名の記載があるか、身丈と裄の寸法、正絹かどうか、そしておおよその点数を順に確認していきます。
お客様側で調べていただく必要はありません。ご相談の際は、着物が何枚くらいあるか、帯や小物も含まれるか、シミや虫食いが目に見える範囲であるか、この3点だけ分かれば、店頭・出張・宅配のどの方法が向いているかをご案内できます。
判断がつかない場合は、たとう紙から出した状態の全体写真を1枚、メールかLINEでお送りいただければ、そこから確認します。